タファネル・ゴーベールの完全なフルート奏法(コンプリートメソッド)を使います
譜面を見た事が無い人はちょっとびっくりするかもしれません。
「難しいそう・・・」「出来ない・・・」などいろいろネガティブな感想が出ると思います。
でもこの本とっても大事です。僕もウォーミングアップで毎日やっています。
でもそもそもスケールとは何を狙った練習なんでしょう?
「指を速く回すため?」「♯・♭に慣れるため?」いろいろあるかとは思いますが、僕の中では「速いパッセージの中で任意の音が出せるようにする練習」と考えています。
つまり音色を犠牲にしてスケール練習をしてはいけません。
あくまでもロングトーンの延長線上にスケールは存在します。
音が矢継ぎ早に変わるロングトーン練習だと思って頂ければ結構です。
また、音の滑らかな連結も重要な要素です。
最初のうちは2度での進行ですが、ページが進むにつれアルペジオなど3度・5度以上の課題も出てきます。
音が跳躍してもフレーズを崩すことなく演奏出来るようにするのも狙いです。
そしてスケール練習の副産物として、「指が速く回るようになった」「♭・♯にへこたれない」「低音域の音量が出るようになった」「初見力が上がった」「リズム感が良くなった」が出てきます。
目次
まずは一番最初の「練習1(EX.1)」をやりましょう
テンポ60、全てテヌートで。もちろんタンギングは明確に。
もし60でも吹けなけれ ばテンポを落としても構いません。がしかし、必ずメトロノームに合わせましょう。
妥協してはいけません。
必ず良い音で正確にやる事が重要であり、少しでも妥協したならばそれは時間と体力の浪費にしかなりません。
ブレスは一段(一小節)ごとにです。その他余計なところで吸わないようにしましょう。理由はロングトーン練習と一緒です。
EX.1のテンポ60が出来たなら80に上げてみましょう
上げるまでに1年かかる人もいるかもしれません。
1週間で出来てしまう人もいるかもしれません。
期間は関係ありません。
毎日コツコツとやる事が大事です。
そうすれば確実に上手くなっていくのですから。
また、80になったらシングルタンギングと同時にダブルタンギングの練習もしましょう。注意事項は一緒です。
メトロノームに正確に合わせ、テヌートで吹くようにして下さい。
次に「練習4(EX.4)」をやってみましょう
テンポ80で。ブレスは2小節ごとに。
こちらも注意事項はEX.1と全く一緒です。
EX.4は1オクターブの距離を往復しなければなりません。
顎を柔軟に使い高音にいくにつれ、音が細くならないように気をつけましょう。
どんなに息が苦しくても余計な所で息を吸っては駄目です。
音が出なくなっても息は出ると思います。
息を最後まで吐き続け、決められた場所でブレスをするようにしましょう。
これが後で効いて来ます。
あとはテンポをどんどん上げていきましょう
ここまで出来るとかなりの曲が楽に吹けるようになっていると思います。
そして同時に「練習5(EX.5)」「練習10(EX.10)」もオススメです。
EX.5は副産物としてワルツを吹くときに有効になりますし、EX.10は低音域の音量増大・高音域の音質改善に効果が出てきます。
EX.4がテンポ140まで上がってきたらすごいです
たぶんこの世に存在するほとんどの曲が吹けるようになっているはずです。
逆にここまで上がらないと上級者としてはかなり辛いかと思います。
後は自分で苦手な課題を見つけいろいろな課題に挑戦していきましょう。
難しい曲をその都度一生懸命練習するより、はるかに実力が上がると思います。
スケール練習は焦らないことが大事です
フルートは後期高齢者になっても吹ける楽器です。
時間は沢山あります。
出来なかったら出来るまでやってください。
どんな人でも根性と忍耐があれば必ずいずれ出来るようになる練習です。
気長に毎日コツコツやっていく事が何よりも上手くなる方法です。