時間を盗んで素敵な演奏を

クラシック音楽はその都度自由にテンポを変える音楽です。

決して曲の最初から最後まで一定のテンポで演奏しなければならない音楽では無いです。

ただし、「自由」は「ルール」の中で自由を獲得するものであって、「オールフリー」ではないです。

 

ルバートという言葉があります。

今では・・・

「テンポを揺らして」

などの意味で使われることが多いかと思います。

 

本来の意味は・・・

ルバート=盗まれた

つまり、テンポ(時間)を盗んで演奏する意味です。

 

ある音が、ある音の時間を盗んで演奏する。

あるフレーズが、あるフレーズの時間を盗んで演奏する。

 

2拍子の曲なら

1(拍)+1(拍)=2(拍) の物を、1.2+0.8=2 や 0.9+1.1=2 にする作業をルバートと言います。

4拍子なら

1+1+1+1=4の物を、1.3+0.8+1.1+0.8=4とかですかね。

 

そう!これがルバートのルールです。

ただ闇雲にテンポを変えて演奏する訳ではないのです。

 

音楽は全て対比で成り立っています。

遅い⇔速い

大きい⇔小さい

明るい⇔暗い

などなど。

全ての相反する要素をバランスよく配置していくのが音楽です。

それがセンスでもあります。

 

バランス。すごく大事です。

演奏するにあたり、ちょっと考えてみてください。

例えば・・・

アッチェル(加速)やリタルダンド(遅延)する時も同様です。

ただ書いてあるから行うのではなく、何故書いてあるかを自分なりに解釈し、その行為を行うことによって得る結果を吟味し、その行為を行ううえで最も有効にする過程を選択しなければなりません。

僕であれば、曲の先にリットがあるなら、その前には少しだけ書いていなくてもアッチェルを入れる場合もあります。

バランスなんです。

 

ちょっと意識するだけできっと音楽が変わるはず!