「ソノリテについて」の使い方は?

マルセル・モイーズが著した「ソノリテ」を僕なりの解釈で。

「ソノリテ」って最初、意味不明ですよね。

顎が重要だの、唇を自由にするだの書いてあります。

楽器を持って最初は全く音が出なかったでしょう。あれやこれや試行錯誤しているうちになんとか音が出せます。そしてその時試行錯誤した結果は、得てして将来のフルート人生に於いて害を成す奏法と言ってほぼ間違いないと思います。

ここからが勝負なのです。音ではなく楽音として聴かせるためには日々の修練が必要です。

まずは音が出なくなってしまっても構いません。口の穴を出来るだけ開けるようにしてください。音が出てもスカスカした頼りない音になってしまうでしょう。

でも大丈夫です!あなたはちょっと口を変えるだけでフルートの音を出すことは出来るはずです。

下手になったわけではないのです。ただ今後、より良い音を求めるために、少し研究しているだけですから。

そう、この「研究」という言葉が大事です。

「ソノリテ」は「行う」ものではなく「考える」ものだからです。

 

我慢です。スカスカの音を吹き続けてください。

音が伸びないかもしれませんが気にすることは無いです。でも、楽をせずに出来る限り伸ばしてください。

「ロングトーン練習」の項目にも書いた譜面で頑張ってください。それが「ソノリテについて」の最初の第一歩です。

今までロングトーンをやってきた方がほとんどだと思います。でも本気で音色を変えようと思ってきましたか?漠然と、やれば勝手に音が良くなると思っていませんでしたか?

問題点を見つけ、それを修整することによってのみ音は変わります。

「ソノリテ」の6ページ目の最初の2段が重要です。この半音の進行が納得出来るまで練習して、初めて次に行くようにして下さい。音が増えればそれだけ音色が変わるリスクが増えます。そこを変えないで吹く事に意義があるのです。

また進むにつれ息が足りなくなってくると思います。息が足りなくなってきても、音色を変化させずに吹ききる事が大切です。

「ソノリテについて」の2ページには「自然のままの肉体の状態だけでは美しい音は作る事が出来ない」と書いてあります。

まずは最初の基本となるシの音が純粋に響かなければならないのです。そして音が移行する事によって、顎や唇が徐々に変化すると思ってください。「音を出す時の注意事項」にも説明があります。ポイントを見つけるとは顎や唇を柔軟に使用し、音に合った吹き方を見つけるという事です。

「ソノリテについて」は「音色と音の同質性」が基本です。

以後「低音の柔軟性」「アタックと音の連結」などは最初の項目が完全に理解されてから初めて進むことをオススメします。

時間はかかるかもしれません。でも無理に急いでも決して良いことはありません。頭と体、両方で理解できて次のステップに進むようにしましょう。

以後の項目は全て並列と見ても差し障りはないと思います。例えば、今日は「同質性」と「連結」、翌日は「同質性」と柔軟性」などでも構いませんし、1週間続けて「同質性」と「豊かさ」をやっても構いません。

基礎練習の時間としては、当初は練習時間全体に於ける割合の80%以上を確保することをオススメします。曲を吹いてもフルートを操る能力の進捗は遅いです。

基礎練習にこそ潜在能力を底上げする要素が存在します。例え1日10分の練習時間でも必ず変化はあります。