物語の再現の重要性

以前、「桃太郎」の話をしましたが、またここで続きを。

「桃太郎」を相手に読み聞かせるときに、どうしますか?

 

まず、桃太郎が生まれたときの台詞・・・

「オギャー・オギャー」としておきましょう。

この声を読むとき僕ならば高い声色(もしかしたら裏声も)を使います。

そして、基本はテンション高めに言いますね。

おじいさんの声は若干ですがおばあさんの声より低くしゃべるでしょう。

そして犬は活動的な声色(性格)を想像しますし、キジは理知的に、サルはもちろんお茶目な感じです(笑)

でも、その3匹には確固たる信念と桃太郎に対する愛情を匂わせる、一本スジの通ったキャラクターを描きます。

鬼は低くすこしダミ声にしましょうか。

ここまででも、結構な種類の声色が必要になってきます。

もちろん、声の大きさも重要ですねぇ。

そして物語の大半を埋め尽くすであろうト書き。

これは場面に応じて、テンションを変動させければいけません。

ただし、全編に渡って流れる声ですから耳障りではだめですよね。

 

そうなんです!物語(楽曲)は自分が持っている全ての引き出し(テクニック)を以ってして、時には地声(ロングトーンで使用する音)、時にはダミ声(荒れた音)、時には裏声(ひねり出す音)、いろいろな声色(音色)を使い分けます。

声に比べれば楽器の音色は残念ながら振れ幅が少ないと思います。

その少ない振れ幅で最大限の演技をしなければいけません。

 

 

「間」はどうでしょう?

僕らは文章を無意識に察知して話しています。

「今日 僕は 動物園に 遊びに 行きました」

を普通にしゃべれますよね?

それを・・・

「きょう ぼく はどうぶ つえんにあ そびにいきま した」

とは言いませんよね?意味不明です(笑)

お坊さんに怒られるかもしれませんが・・・

「きょうぼくはどうぶつえんにあそびにきました」

と、お経の様に抑揚無く言うのも聴き取り辛いです。

「今日<ブレス>僕は<ブレス>動物園に<ブレス>遊びに<ブレス>行きました」

ちょっと変な人です・・・

 

そして・・・

「今日 僕は 動物園に 遊びに 行きました」

「でも、」

「雨が 降ってきました」

こんな風に「でも、」続くと次は「何?」「何が起こるのぉ?」と聴いてる方は気になりません?

「今日 僕は 動物園に 遊びに 行きました でも 雨が 降ってきました」

って書くと(言うと)なんとなくスルーです(笑)

この記事は段落で間を表現しましたが、音楽では時間のみで間を表現します。

 

フルートの場合は「間」と「息継ぎ」には密接な関係があります。

どうしても声より息継ぎしなくてはならないフルート(管楽器)。

この息継ぎを「間」として上手く利用すればもっと相手に分かり易く伝えられるはずです。

最大の欠点を最大の利点に転換してしまいましょう!

 

ブレスは文章と間を分かり易くするもの!

ブレスは取れるところで取る!

逆に取れないところは沢山ある!

ブレスとブレスの間隔は短くても長くても構わない!

 

根本ですが、楽曲にはやはり小説と同じように、章(楽章)・段落(形式)・文(フレーズ)・文節・単語など区切りが存在します。なんとなく分かりますよね?

それを相手に分かり易く伝えるのが朗読(音楽)です。

まずは文の構造を理解しましょう。

 

まだまだ書くことはいくらでもあるんですが、今日はここまで。