レッスン中でふと思った事を1つ。
ピアノは小説。 オーケストラは漫画。
生徒さんがドビュッシーのチルドレンズコーナーを持ってきました。
「上手く吹くには?」と尋ねられ、答えたのが・・・
「イメージを広げて」
えーっと、今更ながら馬鹿な答えです(笑)
僕はドビュッシーが好きです♪
特にピアノの曲。
いろいろ妄想が広がって聴いてて面白いです。
ピアノの音だけだからこそ、その妄想が広がります。
そう!まるで活字だけだからこそ広がる小説の世界と一緒。
登場人物やストーリーの構成などはすでに出来上がってるのですが、その細かいディテール・心理描写は読者に任せられます。だから、活字は面白いんです♪
だって好き勝手に妄想膨らませられるんだもん!
ドビュッシーのオケはというと・・・
これも好きです(笑)
でもオケって沢山の楽器が演奏してるんで、沢山の音色が鳴ります。
僕の妄想の枠を若干ですが狭くしちゃうんです。
より正確な描写が描かれちゃってるんですよねぇ。
逆に言うと、妄想であるがために、彼の世界とは違うところで妄想してしまうんでしょうが、オケになるとちょっとだけ彼に近づける感じもします。また、同じ曲でもいろんな音楽があるんだなと思うわけです。
この現象はいろいろな楽曲で実感出来るかと。
その1つに・・・ムソルグスキーの展覧会の絵。
こちらも最初はピアノ(まぁ作曲家はたいていピアノで作曲するんでしょうけど)で作曲され、後に、リムスキーコルサコフとラヴェルによってオケになったんですが、この曲はオケがきっかけでメジャーになった気が。
そして、「展覧会の絵」となるとやっぱ冒頭のラッパが頭から抜けませんなぁ。
でも人によってはラッパじゃなく、違う楽器が良かったと思う人がいるかもしれません。
オーケストラはある意味、作曲家や編曲者の意向をより身近に分かり易く感じられる物だと思ってます。
そう!物語の進行を文字と絵を使い複数のガイドラインで表現する・・・まるで漫画のような感じ。
本題に戻ったでしょ?
この他にもオケとピアノの違いは、意思の数。
ピアノは1人。オケは何十人。
やっぱし、一人一人若干ですが音楽に対する姿勢が違うわけですよ。
そこも魅力なんですよなぁ♪
一つの意思が、何十の意思によって再構成され、また1つに凝縮される・・・
いやー面白い!
話が逸れたけど、結局音楽なんて好きか嫌いか(面白いかつまらないか)なだけですから、自分の好きな様に解釈して、聴いてくれる人が喜んでくれればいいんです。
その為には、まずは自分がその曲をしっかりと把握して吸収して、放出しなきゃならんのです。
朗読と近いかなぁ。もっというと子供の頃に聞かせられた昔話でもいいかも。
読み手・語り手は書いてある言葉を発音するだけじゃなく、話の内容を理解して僕らに伝えます。
「桃太郎」をある程度理解した上で話すのと、ただ文字を発音するとじゃエライ違いでしょ?
読み手も書いてある物語を自分なりにイメージしてそれを相手に聞かせます。
ぶっちゃけ、日本人ならだいたいの人が知ってるであろうストーリー。
文章を見ずとも、語ることはなんとなく可能でしょう。
さらに自分なりにアレンジを加えて語ることも可能なはずです。
音楽も一緒。
物語をソラで言えるくらい=暗譜出来るくらいやれば、結構イイ噺家になるのでは?
なので、イメージが大事なのです!