フレーズを上手く聴かせるには?

これってすごく漠然としていますよね。突き詰めればすんごく難しい事なんですが、今からでも出来る簡単なポイントだけ抑えておきます。逆に言うとこのサイトの中で唯一即効性がある項目です。

音の終わりを「プツッ」と切らないようにしましょう

どうしても最初は音の出だしを気にしますが、これと同じくらい音の終わりも気にしてあげてください。

厳密に言うと、クラシックのほとんどの音は最後は余韻が残ります。その時間は0.1秒かもしれませんが、必ず音を収めなければいけません。

言葉で言うと「トー」と終わるか「トーン」と終わるかです。

「ン」の部分が重要なわけです。音を収めてあげる事により聴いた時の印象は全然違うものになるはずです。
初心者の方でも訓練をすればすぐに出来るようになると思いますよ。

強拍・弱拍を認識しましょう

小学校の音楽の授業で習いませんでしたか?実はこれってすんごく重要なんです。

この強弱拍がうまく表現できると、簡単に音楽のグルーブ感に直結します。

常に弱拍は直後の強拍へ向かい、強拍は常に鼓動を表す。

この言葉からどうしても音の「強弱」をイメージしてしまうんですが、ちょっと言葉を置き換えて「重拍」「軽拍」ってしてみましょう。

演奏に対するイメージが掴みやすいはずです。そしてこれを行うことにより音楽が波打ってくるはずです。

この寄せては返す波がフレーズの第一歩です。

1フレーズ、1クレッシェンド・1デクレッシェンドを守ってみましょう

この法則は当てはまらないものもありますが、とりあえず試しにやってみてください。

曲中の中にはいろいろな音量指定がされているとは思いますが、実は書いてなくてもやらなくてはいけません。

書いてあるのは特にやらなければいけないのであって、書いていないのは普通にやってという指示なわけです。

フレーズの初めは小さくから、徐々に大きくして、最後に小さくしていく。

大きくする場所は一番心が震える場所。

フレーズの中にはだいたいポイントとなる音が存在します。それを見つけてあげる事が重要です。

そのポイントとなる音に向かって気持ちを向けていきます。もしかしたらテンポも徐々に速くなるかもしれません。

そしてポイントに来たらたっぷり歌ってあげてください。ここにきたら逆に遅くなるかもしれませんね。

人間、重要なことは遅く言いますよね?例えば「愛してる」と早く言うのと遅く言うのではちょっと違いませんか?

また力が入ると動きが遅くなりませんか?

自分の日々の生活にも音楽をやる上でのヒントは隠されています。

そしてあとは力を抜いていきフレーズを収めてあげるわけです。

もちろんテンポも通常に戻してあげてくださいね。

これをやるといわゆる棒吹きがちょっとは解消されると思いますよ。

音は単語、フレーズは文章、曲は物語

アナリーゼって言葉をご存知ですか?意味は楽曲解析。

「このコード(和音)はこうだから、このような音の響きを出す」などの理論的な見地から曲を作っていこうという考えです。

もちろん必要なことですが、これは知識が無いと結構大変です。

また作曲者の生い立ちや制作年での出来事などを調べて曲想に反映させるなどもありますが、こちらはなんとか頑張ればインターネットなどで調べられるかもしれません。

いずれも練習より多くの時間が費やされてしまうと思います。

だったら、自分で想像しちゃえば良いのです。

今、自分は空想の世界にいます。そこの場所や季節や時間、はたまた自分の着ているものやら、その他の登場人物、その人たちが繰り広げる出来事などなるべくリアルに自分で勝手に作ってください。

曲を脚色してあげるのです。

その景色やストーリーを曲に合わせて吹いてあげるのも1つの方法だと思います。

また、文章には句読点が付きますよね?

音楽も一緒です。

余計な所でブレスなどをしてはいけません。

ただしブレスを出来る限り控えれば良いかと言うと違います。適切な場所でブレスをすれば良いのです。

例えば「今日、僕は遊びに行きました」という文があります。

これを「今日僕は、遊びに行きました」では大丈夫ですが「今日僕はあそ、びに行きました」はおかしですよね?

フレーズも切って良い場所と駄目な場所があります。探してみてくださいね。

ピアニストは伴奏者ではなく共演者という認識を持ちましょう

どうしてもフルート(旋律)の事で頭がいっぱいになりがちです。

ほとんどの曲はフルート1本では演奏出来ません。必ずそこにはピアノや他の楽器と一緒に演奏するわけですが、ちゃんと聴いていますか?

「リズムを合わせる」「音程を合わせる」という事はやっているかもしれませんが、音の雰囲気まで感じていますか?

和音には大きく分けて4つの種類があり、且つ4つの雰囲気があります。これらの和音の違いを聴き分けていますか?「明るい」「不安定」など和音によって雰囲気が違います。

また、その和音の流れから曲の進行もわかるはずです。フルート以外の所に大多数のヒントが隠されているのです。

現在、CDというとても素敵な文明の利器があります。フルートだけを聴くのではなく、その裏に流れている伴奏をしっかり聴いて、曲の雰囲気をしっかり掴んで下さい。

自然と曲に対する理解度が増しているはずです。

そして本題のピアニストと合わせる時が来たら、自分の音楽を押し付けずピアニストの音楽も聴いてお互いの共同作業で1つの曲を完成させてください。

音色の変化は楽器の変化で

音色を変化させてより曲を充実させる事は必要不可欠です。

でも初めの頃は音色の変化って分からないですよね。そしたらフルートの世界だけに頼るのではなく、違う楽器にまで手を出せばよいのです。

最初のフレーズはクラリネットっぽく、次はチェロのように、途中ギターが入って、サビはトランペット、最後は鉄琴。

という感じで自分がなんとなく想像できる楽器を当てはめて吹くのも良いかもしれません。

もし各楽器が思い浮かばないなら、人間に当てはめても良いですよ。

ここは酒屋の田中さんの野太い声でとか、ここは八百屋の山田さんのキンキンする声とかでも代用できますしね。

音楽に間違いはありません

僕も皆さんも同じ人間、しかも同じ日本人です。それほど自分と世間の感覚は、ずれてはいないと思います。

ゴミ屋敷に住みたいとは思いませんし、美味しいかもしれないけどイモムシは食べたくないとも思います。

ある一線を越えなければ平均的な感覚は皆さんお持ちだとは思います。

だったら心の声に従って曲を思い通りに吹いてあげるだけです。

もし音楽に「間違い」という言葉を当てはめるなら、それは何も考えず音だけを出すことが間違いなのです。